まんまと罠に、ハマりまして
何ならいっそのこと、定時にならなきゃいいのに、なんて思ってみたけど。

…そう。

時間が止まる事なんて、あるわけもなく…。


「頑張って」
「頑張れよ」
「頑張ってね」


…と。
口々にそう、私に声をかけて。
みんな、定時の時報と共に。
行ってしまった。

もう、どうして私ー!?と、嘆いた所で。
誰も代わってくれないし、逃げることも出来ない。


─うぅ…


心の中で呻いていると、課長がPCを閉じる音がカチャっと聞こえて。
広報部のすぐ隣にある、小さな会議室に入って行くのが見えた。


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