まんまと罠に、ハマりまして
もしかして。
今日の面談は、


─ずっと緊張していた私を気にして?


多分、そうで。
上司として、部下への気遣い。


─さすがだなぁ


って。

ちょっと前まで、クビを宣告されるかも、なんて思っていたのに。
私も単純だ。

課長も、そんな私を見て、ホッとしたのか。


「で、だ。渡来」


やはり、やわらかい表情のままで、私を見ていて。


「はい」


また、ちゃんと普通に返事を返せた私に。
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