まんまと罠に、ハマりまして
その頃。


「先日は失礼致しました。つい驚いて、渡来さんに声をかけてしまいまして…」
「いえ。お気になさらずに」


本社には、圭くんが来ていて。


「…今日は、いないんですか?」
「あぁ。はい。今日は外出してまして」
「…そうなんですね」
「こちらにどうぞ」
「あ、はい。失礼します」


私は、久しぶりのBAの仕事を楽しくさせてもらいながらも。
ゆきのさんとの約束を気にしていた。

伝えそびれてた事。

それは私に、なのか。
それとも、また、課長に、なのか。

どっちだったとしても、あの状況で、


─伝えきれなかったんだろうな…


それは理解できて。

ちゃんと話しておきたい事。

それが私に対してじゃなくても、しっかり受け止めなきゃ、思っていた。

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