まんまと罠に、ハマりまして
ゆきのさんは、何も言えずにいる私に、


「千暁…。上條くんをよろしくね。なんて。私がそんなこと言う資格なんてないんだろうけど…」


ゆっくり食べていって、と、席を立って。


「さようなら」


儚げに微笑んで言った。
多分それは、課長に向けた言葉…。
私にも、だったんだろうけど。
ゆきのさんなりの、謝罪だったんだろうな、思った。

その全てを、私に話したこと自体が。

課長を"千暁"じゃなく。

"上條くん"


呼んだことも…。
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