【完】こいつ、俺のだから。
体育祭のときのこともあって、恥ずかしくて佐野と目が合わせられない。
だからおとなしく、ベッドに寝転ぶことにした。
「待て。やっぱ寝るな」
「は?」
何を思ったのか、突然佐野はあたしの隣に腰を下ろした。
とたん、ギュッと抱きしめてくる。
「……!? さ、佐野!?」
「なんでライン返さなかった。お前」
……えっ?
いきなりの行動にびっくりしたけど、どことなく弱々しい佐野の声に、あたしはポカンとしてしまった。
……ライン?