【完】こいつ、俺のだから。
俺は洗面台にたまってた洗い物も済ませると、少し冷めたお粥を持って、あいつの部屋に戻った。
少しだけ、深呼吸してドアを開ける。
「おいブス。粥作ってやったぞ。食えや」
「……あ、ありがと」
ベッドでおとなしくしていたあいつは、目を開けて俺を見る。
あー、やっぱやべぇな。
めっちゃ好きだわ。
「食えるか?」
「うん」
ムクリと起き上がったこいつのそばに寄り、お粥を手渡す。
そして、フラフラにならないよう背中を支えてやった。
「ふふっ……」
「……?なに笑ってんだよ」
「佐野、お母さんみたい」
笑ったこいつを見ると、すげー心が弾む。単純すぎるくらい、喜んでる俺がいる。
……それがたとえ、彼氏とはほど遠い関係だとしても。