【完】こいつ、俺のだから。
『急に別れるなんて言われて、気持ちの整理がつかない……っ。最低なことされたのに、先輩を見ると、まだ揺らぐの……っ』
全部、分かってる。
お前がまだ、心の片隅であいつのこと想ってることくらい。
まだ、消し切れてないことくらい。
……でもやっぱ、さ。
結構、痛い。
心がすげぇ、痛かった。
だけど目の前にいたあいつは、足も、膝も、心もすべてボロボロで。
いつからか、笑えなくなるほどボロボロで。
泣き方すら忘れちまったお前は、心ん中に全部溜めてたんだな。
ずっとひとりで抱えてたんだな。
……泣かせるの、遅くなってごめん。
出来上がったサトウのご飯で作ったお粥は、
塩だけの、しょっぱい味付けしかできなかった。