【完】こいつ、俺のだから。
「……な、」
「約束しろよ。じゃなきゃ学校に帰さねぇぞ」
「え。ちょっと待って。買い出しじゃないのこれ」
「俺が何買えばいいかなんて知るワケねぇだろ。お前が調子にのってるから連れ出したんだよ。
……あそこにお前を居座せたら、メイド服着せられるかもしんねぇし……」
徐々に小さくなる声も、なぜかしっかりと聞き取れた。
意味もなく、心臓がおかしな音を立ててるんだけど。
……おかしい。なにそれ。
「佐野、どうしようあたし、頭が正常に働いてない。
なんか佐野があたしのメイド姿他のヤツに見せたくないって言ってるように聞こえる」
重症だあたしは。まだ病み上がりだからか?
わからぬ。わからないから、佐野!
さぁ、このおかしなあたしの誤解を解いてくれ。あんたの得意な毒舌で!
「聞こえるんじゃなくて、そう言ってんだよ」