【完】こいつ、俺のだから。




…………。




思いもよらない返答に、正直すごく焦った。


否定するとこだよね、そこ。




「あと、スカート」



「……え?」



黙り込んだあたしに、佐野はさらに言葉を紡ぐ。



その指の先は、あたしのスカートを指差していた。




「それ短すぎだ。そんな足出すな。変な野郎に見られるぞ」



「…………」



ただの心配性か。


それとも独占欲というやつか。



おそらく後者ではないはずだ。




「佐野には関係ないじゃん。あたしの自由でしょ」



「お前は俺のもんだろ」




ドキン。直球の言葉に、また胸が音を立てる。



あれ?これはもしや、独占欲ってやつですか?




「それ3つ目の命令?」



「んなくだらねぇことに使わねぇよ。当たり前のことだろうが」




くだらねぇことって言ったよね。じゃあやっぱ独占欲ではないらしい。



少なくとも佐野の中では、スカートを長くすることが当たり前なんだ。



まぁ確かに、佐野があたしを独占とか、そんなのあり得ないよね。



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