【完】こいつ、俺のだから。



悔しいな……。



なんかさっきから、佐野のことばっか考えてる。



そう言えば、あたしにメイド服着るなって言ったクセに、自分は執事服着るのかよ。



納得いかない、なんだそれ。




……あたしだって……あたしだって……。




「って、何してんだあたし」



気づけば制服を脱いで、メイド服に着替えていた。



……うわ、まじ何してんの自分。



無意識のうちに着替えてたよ。



よかった、人いなくて。




ホッと安堵の息を漏らす。



さ、早く制服に戻れ。現実に戻れあたし。




「メイドのかっこなんて見られたら、冥土逝き決定だよ。
あ、うまいあたし」



独り言でうまくギャグができて、ちょっとテンションあがったときだった。




――カタッ。



教室の外から音が聞こえ、反射的に振り向く。



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