【完】こいつ、俺のだから。
「佐野、悠月……」
ポツリ、あいつの名前をつぶやく。
――サァァ……。
吹き抜く風が少し肌寒く感じて、あたしは静かに窓を閉めに向かった。
そのとき、教室の隅に置いてある衣装って書かれたダンボールが目に入る。
中にはメイド服や執事服がたたんで置いてあった。
明日、佐野や楢崎、光が着る衣装だ。
あたしはそっと、そのうちのメイド服を手に取った。
「……うわ、似合わなそ〜」
こういうのは確かに、光みたいな子が着るべきだよね。
執事姿の佐野なんて、絶対かっこいいじゃん。
他校の子からも熱視線浴びるよ、絶対。
……あたしと別れたら、他の子と付き合うのかな。
また胸が、モヤッとした。