【完】こいつ、俺のだから。




「佐野、悠月……」



ポツリ、あいつの名前をつぶやく。




――サァァ……。




吹き抜く風が少し肌寒く感じて、あたしは静かに窓を閉めに向かった。



そのとき、教室の隅に置いてある衣装って書かれたダンボールが目に入る。



中にはメイド服や執事服がたたんで置いてあった。




明日、佐野や楢崎、光が着る衣装だ。



あたしはそっと、そのうちのメイド服を手に取った。



「……うわ、似合わなそ〜」



こういうのは確かに、光みたいな子が着るべきだよね。



執事姿の佐野なんて、絶対かっこいいじゃん。



他校の子からも熱視線浴びるよ、絶対。




……あたしと別れたら、他の子と付き合うのかな。




また胸が、モヤッとした。



< 259 / 418 >

この作品をシェア

pagetop