【完】こいつ、俺のだから。




――昼休み。



光と楢崎に呼び出されたのは、誰もいない講義室だった。



てっきりご飯を一緒に食べるのかと思ってお弁当を持ってきたのに、


……なにこの状況。




「どういうことか、教えてもらおうか仁菜」



腰に手を当て胸を張り、堂々と仁王立ちしてる光。



「中原。話してくれないなら……この弁当がどうなっても知らないからな!?」



講義室に着いた途端、あたしが手に持ってた弁当を右脇に奪い抱え、左指で鉄砲を作り人質みたいにする楢崎。



……こいつらどうした。(特に楢崎)




「今朝の様子を見て、あんたと佐野くんの間に何かあったことはわかってるわ」



「俺、お前の弁当を傷つけることはしたくなかったけど……。
お前が教えてくれないのなら、いたしかたあるまい……!」



だからどうした楢崎。




「教えてくれるよね?仁菜」



「弁当がどうなってもいいのか!?「楢崎くん、邪魔するなら黙ってて」



光に遮られ、楢崎は軽くショックを受けたような表情を見せた。



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