【完】こいつ、俺のだから。



……まぁ、ふたりが言いたいことはわかってる。



ていうか、今朝のでバレバレだよね。





「……昨日、佐野と別れた」



「え?」



あたしの唐突な言葉に、光も楢崎も目を丸くする。



黙ってる理由もないので、ふたりには昨日の出来事を全て説明した。




「なに、それ……」



「……」



全てを話し終えると、光はあり得ないとでも言うように考え込む。


楢崎はもう、人質モードは終了してた。




「……嘘だったんだって。全部」



「え?」



「あたしのこと好きだって言葉も、今まで優しくしてくれたのも……全部。

ホントは偽物だったんだ……」



恋人ごっこは、所詮、ごっこに過ぎなかった。



< 353 / 418 >

この作品をシェア

pagetop