リトライ。
練習のし過ぎにより、足に負荷がかかってしまっている状態だった。
このまま続ければますますひどくなる痛みと戦うことになる。
怪我としては軽かったものの、私は二ヶ月間、休養を言い渡されることとなった。
大事な試合が1ヶ月後にあったけど、それに出ることは出来ない。
それでも、休めば元どおりにやれるんだ。
良かったと思わなくちゃ。
私はその日から、みんなが練習する中、
コートの隅で腕だけを使って行なうハンドリングをやっていた。
ハンドリングは基礎になる。
復帰した時にシュートフォームを崩さないように。
足は休めて、基礎となることは全てやり続けた。
そして2カ月後――。
ようやく復帰できるようになった頃。
『繭、スタートで』
『はい』
私の居場所はなかった。
試合でも練習試合でも再びベンチで応援するだけの毎日が続く。