リトライ。
最初は復帰したばかりだから、まだ身体がついていかないんだって言い聞かせていたけれど、
不安は募るばかりだった。
2カ月の間、私はずっとその場所で止まっている。
みんなは先に進む中、ひとりおいて行かれてしまう。
復帰すれば追いつけると思ってたなんて甘い。
復帰しても、みんなが立ち止るわけじゃない。
差がついたまま、ずっと追いかけ続けることになる。
埋まらない差を、みんなの背中を見ながら追いかけ続ける。
けっきょく2カ月のロスは埋まらなかった。
そしてそのまま私たちの引退試合の日はやって来てしまった。
ピピーーー!
私は後から入って来た後輩にポジションを取られたままその日を終えてしまった。
汗も流せないベンチで仲間の応援だけをして、
最後の試合が終わっていった。
3年間の積み重ねはあっと言う間に崩れ去り、後悔だけが残った。