メガネの私は好きですか?
「ねえ、何の用?」
前置きはいい、何かあるなら早く言って。
そう思い私は有馬を見る。
「ん?……あぁ、特にはないよ。」
そう言い放った有馬は涼しげな顔をしていて、私の怒りが増加するのにそれほど時間は掛からなかった。
「はあ?なんなのそれ!じゃあ、何の為に呼び出したのよ」
どうやらこの男は、私をイラつかせる天才のようだ。
私が睨みつけると、メガネに手を当てられスッと取られた。
慌てて、押さえたのに間に合わなかった…
「ちょっと何するのよ!」
「うん、やっぱり可愛いな。」
取り返そうとするけれど、私の手はただ空気を掴むだけ。
満足そうな声に、何かが切れた。
「何よ……どーせ顔でしょ。」
言葉を紡ぐ唇が震える。