メガネの私は好きですか?
「ふーん、そういうことね。」
私の態度を見た藍は、ふと私の机から下りて教室を出て行ってしまった。
「……何、藍のやつ。」
教室のドアの方を見つめながら、弥生がそう呟く。
その表情は困惑して見えた。
「お姉ちゃん取られるの、そんなに嫌なのかしら。 キスは恋人とするものだから、妬いたって仕方ないのにね。」
「私は藍のお姉ちゃんじゃないし、有馬の恋人なんかじゃない!……ていうかあんなヤツ大嫌い!」
弥生がそんな事を言うから、私は弾かれたように言葉を重ねる。
「……そう? でも絵美の本心は違うと思うけどな。」
「え?」
「顔に“好き”って書いてあるわよ?」