メガネの私は好きですか?





そう言った弥生の瞳はなんだか力強くて冗談を言っているようには見えなかった。


「……そんなことない、あんなヤツなんか。」


「絵美、意地張るの止めたら?有馬皐月はモテるわよ、素直にならないと誰かに持って行かれちゃうわよ?」



それでもいいの?と言う弥生は誘導尋問をするかのように、私の心をこじ開ける。



「………やだ。」


私の口から、出た言葉…、これが本心なのかもしれない。


私の顔を見つめて、弥生が口を開く。



「昼休みまだ残ってるよ、隣の教室行っておいで?」


「……うん。」


柔らかい弥生の言葉に弾かれるように椅子から立ち、少し駆け足に教室を出た。


廊下は教室より温度が低くて、いつの間にか顔が火照っていた私には丁度良いくらいだった。




「絵美。」



ふと、声がした。





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