メガネの私は好きですか?
……ドクン。
心臓が嫌な音を立てて、手にも冷たい汗を感じる。
嫌だ、有馬が行ってしまう!
そう思った私はとっさに追いかけようとしたが、グッと後ろ手を掴まれる。
「行かないで、絵美。」
振り向けば、藍の悲痛な顔。
昔からよく知る藍の手も今は温かさを感じられず、ひんやりと冷たい。
こんな状態の藍を置いていくのは、忍びないけれど、
「ごめんね…藍。だけど、私は有馬を追いかけたい。きっかけは最低だけど、私のこの気持ちは本心だと思うから。」
「絵美……」
「有馬が好きなの。」
私の口から出た言葉に、藍は目を見開き、そしてポツリと呟いた。