メガネの私は好きですか?






掴まれた手首が痛い。

有馬の顔が怖い。


爽やかさが印象の彼にこんな表情をさせてしまったのは私の所為。


そして、こんな状況でも胸がドキドキしてしまう私はもう重傷だ──。



「………っ、」




有馬が驚いたように身体を強ばらせた。



気づいたら私は、自分から有馬の唇にキスを落としていた。




「……はっ、どーいうつもり?」


「……私にだって分からないわよ。」


「……は?」


「初めは、アンタなんて苦手でしかなかったのに、なんでっ、なんで……。」


言葉が止まらない。

気持ちが溢れ出るかのように、



「……、なんで、アンタがこんなにも頭から離れないのよ!」





< 33 / 36 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop