しましまパンツマン
花吉さんは頷いて、店の奥から直径1.5メートルほどの金タライを持ってきました。
夏に幼い子どもが入る、ビニールプールの金タライ版のような。


「うわぁーっ、大きい!!」


「大は小を金るってね~、違うか」


「ウマイわ~。領収書くださいな」

お代を支払い、領収書を受け取り、大きな金タライをトランクに積み込み、「なっしー様、お待たせしました」と詫びたイチノちゃん。


運転席に座り、花吉さんに手を振り車を走らせました。



「金タライを……何に使うなっしか?」

運転席のイチノちゃんと、金タライを交互に怪訝そうに見て、なっしーが尋ねます。


「えっと……湯船に浸かられる前に、お求めになった石鹸で、お体を丁寧に洗って頂いて……」


「ふーん、バカじゃないんだなし」

ポツリとなっしーが言ったのをイチノちゃんは、聞き逃しませんでした。

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