ツンデレ彼氏をデレさせろ。




「本当、ベタ惚れだよねー。」



「そーですよー。」



「ーなんか、朔を取られた気分だよ。」



「へ?」



ーいきなり、クールな爽和が
そんなことを言い出すから、
驚いて彼女を見た。



「だってさー、放課後は、
いつも棗と茶道しに行っちゃうし。
ま、それで、大分、朔、
落ち着いて大人しくなったから、
棗に感謝もしてるけどさー。



いっつも、棗じゃん?



いや、遊びに行くけどさ、
前より、明らかに回数減ったじゃん?」



ー意外だった。
クールな爽和が、
そんなことを言うなんて!!!




「い、行こう!!
遊びに!!!!!」




「んじゃ、明後日ね。」



「明後日、ちょっと待って!」




ー慌てて、スケジュールを確認すると、
特別、李斗との約束もなかった。


「いいよ!遊ぼ!!」



「それじゃ。明後日ねー。」



ー手をヒラヒラさせながら、
玄関へ向かう爽和。



「え、もう、帰るの?」



爽和と私は幼馴染。
家も近所で5分圏内。
両親も仲は良かったりする。



そして、私も爽和も
両親が共働きだったりするから、
夕飯を一緒に食べたりするのだ。
今日は、私の家で食べてたんだ。



ーその後で、私は、
李斗にあげる毎週恒例の
レモンの砂糖づけを作っていた次第です。



「明日、風とデートなんだ。」



ーと、嬉しそうにしてるということは
すごくわかる。



「いってらっしゃーい!」



私がそういうと、
爽和は、バイバイと言いながら、
帰って行った。



ーいつか、してみたいな、デート。



ーいつか、で、いいんだけどね。





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