僕と君の365日

柊也の言葉に一瞬耳を疑う。

「俺の父親.....桃琉もだけど。母親と別れてギャンブルとか酒とか.......結構荒かったけど俺には絶対当たらずに俺の前では笑顔で働いてくれてた。」


柊也は淡々と語る。その瞳には父親の姿が映ってるような気がした。

「中学生のとき仕事場で倒れた。過労死。仕事先が悪いんじゃなくて父親が働かせてくれって仕事してた。」


過労死.......

「ここ、中高一貫校でしょ?ここに通ってた。父親がお前の好きなように生きろっていってくれてたから。勉強、好きでずっと勉強してた。私立。どれだけ高いかしらなかった。」


子供。その一言に俺は何回親に反抗したっけ。それは反抗期の一言ですまされてるけど。

左京は反抗してる暇があるなら継ぐための勉強をしたらどうだ、と言われるのを知ってる、と言ってた。

自分じゃなくて兄貴が継ぐのに。

「学費。ギリギリだったって。卒業直前で死んだ。今、俺、学費免除で通ってる。勉強、して。勉強ばっかせずに父親に一人で頑張るなって言ってたら父親は今も生きてたかもしれない。」


「.........でもそれは、さ。しらなかっただろ?俺のは俺が当たらなかったら死んでなかた。」


俺が悪いんだよ....






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