ホルケウ~暗く甘い秘密~
たくさん校内を歩き回って、今日の学祭も終わりに近づいてきた頃、りこはすっかり忘れていた掃除当番を思い出した。
「そうだ、私閉店後の掃除当番なのよ。終わるまでどこかで待っていてくれない?」
「じゃあ、駐輪場にいるよ」
玲に送り出されて校舎に戻ると、校内にはほとんど人がいない。
代わりに、中庭のステージからは興奮したような叫び声や、ドラムの音が響いている。
今日は軽音部の野外ステージの日だ。
けっこう上手いと評判の軽音部のライブは学祭の目玉の一つでもあるらしく、閉店後の掃除当番に当たった生徒以外はほとんど外にいた。
りこも少しは興味があったため、教室が近づくと気分が沈んでいく。
教室に入ると、石田と森下はモップを片手に談笑していた。
「お、りこちゃんやっと来た!」
まさか二人のほうが先に着いているなどとは思わなかったため、りこは慌てて掃除用具のロッカーから箒を出した。
「遅れてごめんなさい」
「ほんとな。あと机下げるだけだよ」
ほとんど終わっているも同然だ。
呆れたような石田と、ニヤニヤと笑う森下に挟まれ、残りは1人でやると言おうとしたその瞬間―――――――――――――――――
いつの間にか背後に回っていた石田の大きな手が、りこの口を塞いだ。
危険を感じ、身を捩ろうとするも、今度は森下がりこの両手首をビニールテープで縛る。
事態が呑み込めてくると、次第にりこの顔は青くなっていった。
(このままじゃまずい……!)
口を塞がれたことによって、叫び声はくぐもってしまい、まったく響かない。
まだ自由な両足をばたつかせ、眼前の森下の股間に蹴りを入れようとするが、いとも簡単に足を捕まれてしまった。
「元気だねーりこちゃん。でもその元気はいつまで続くかな?」
いそいそとカーディガンを脱がせ、セーラー服のリボンを外しにかかる森下の脛に、奇跡的にローキックが入った。
「ってぇ、なにすんだ!」
仕返しとばかりに鳩尾を殴られるが、人狼の少年に殴られた時ほどの痛みはない。
吐き気が襲ってくるが辛うじてこらえ、りこは毅然と森下を睨み付けた。
「まずは脱がすのが先っしょ。右京、カメラ用意して」
りこを床に押し倒すなり、石田はスカートの中に手を突っ込んだ。
太ももで器用にりこの両足をおさえ、糸や布が避ける音がスカートの中で小さく鳴った。