桜
私はソープを辞め、荒木のプロダクションに入ることにした。
宣材写真と言って、ビデオの制作会社に売り込みを掛ける写真を撮影するために荒木のプロダクションがある事務所を訪ねる。
渋谷駅の指定された場所で待っていると、荒木はS600の白のベンツに乗って迎えに来た。そこから車で15分くらいの場所にあるマンションの一室が事務所として使われていた。
衣類着用、セミヌード、下着1枚の状態、その3パターンの写真を撮影する。
そして荒木は、「すぐに売り込みかけるから、1週間くらいで仕事入るよ」と言った。
「出来ない事は、必ず言って。無理しなくていいし。単体って言って1人で出演してパッケージに顔が出るような作品はやらないから。あくまでも複数出演してるものとか、そういう解りにく作品だけにするよ。内容は、必ず仕事のオファが入った段階で確認するし、それで無理なら無理で言ってもらえれば構わないし。あ、もちろん現場に行って話が違うとかだったら、それも遠慮なく言って」
荒木は、仕事の話を1人でぺらぺらと話しながら、今、撮影した私の写真をチェックしていた。
「どうせ、やるんならさ、その担保にされちゃった車のローンも一回で返済できるくらい頑張ってみなよ」
荒木は笑いながら私に言う。
「そう言って、出演本数が増えるだけじゃないですか・・」
「あはは、そうだね、それじゃ、ダメだな。最低限、頑張りましょう~だな」
今、考えると、荒木が取ってきた仕事と言うのは、本当に良心的な制作会社ばかりだった。私は、このAVの業界で、嫌な思いをする事も、辛い撮影を強いられる事もまったくなかった。
これは、この業界をぐるりと見渡すと、非常に珍しい事なのかもしれないし、逆に今の時代では、私のように安易にAVの仕事に飛び込む子が増加しているので、難しい事なのだ。
帰り際、荒木が言った。
「あ、そう言えば、あの金融屋、今週中に行くつもりだけど、あゆみちゃんも一緒の方がいいでしょ?その目で実際に、縁切れの場面、確認した方がいいんじゃない?」
「そうですね。それは、同行します」
「安心しな。その日が、そいつらとの縁が切れる日だから」
宣材写真と言って、ビデオの制作会社に売り込みを掛ける写真を撮影するために荒木のプロダクションがある事務所を訪ねる。
渋谷駅の指定された場所で待っていると、荒木はS600の白のベンツに乗って迎えに来た。そこから車で15分くらいの場所にあるマンションの一室が事務所として使われていた。
衣類着用、セミヌード、下着1枚の状態、その3パターンの写真を撮影する。
そして荒木は、「すぐに売り込みかけるから、1週間くらいで仕事入るよ」と言った。
「出来ない事は、必ず言って。無理しなくていいし。単体って言って1人で出演してパッケージに顔が出るような作品はやらないから。あくまでも複数出演してるものとか、そういう解りにく作品だけにするよ。内容は、必ず仕事のオファが入った段階で確認するし、それで無理なら無理で言ってもらえれば構わないし。あ、もちろん現場に行って話が違うとかだったら、それも遠慮なく言って」
荒木は、仕事の話を1人でぺらぺらと話しながら、今、撮影した私の写真をチェックしていた。
「どうせ、やるんならさ、その担保にされちゃった車のローンも一回で返済できるくらい頑張ってみなよ」
荒木は笑いながら私に言う。
「そう言って、出演本数が増えるだけじゃないですか・・」
「あはは、そうだね、それじゃ、ダメだな。最低限、頑張りましょう~だな」
今、考えると、荒木が取ってきた仕事と言うのは、本当に良心的な制作会社ばかりだった。私は、このAVの業界で、嫌な思いをする事も、辛い撮影を強いられる事もまったくなかった。
これは、この業界をぐるりと見渡すと、非常に珍しい事なのかもしれないし、逆に今の時代では、私のように安易にAVの仕事に飛び込む子が増加しているので、難しい事なのだ。
帰り際、荒木が言った。
「あ、そう言えば、あの金融屋、今週中に行くつもりだけど、あゆみちゃんも一緒の方がいいでしょ?その目で実際に、縁切れの場面、確認した方がいいんじゃない?」
「そうですね。それは、同行します」
「安心しな。その日が、そいつらとの縁が切れる日だから」