後悔~レイプ~

仕事を終えて、コンビニで本を立ち読みし、適当な食べ物を買って、私は1人ワンルームの部屋に車で帰宅する。

良明にフラれてからも私は新潟で暮らしていた。

そんな暮らしが淡々と続いていた頃、冬にアルバイトをしていたスキー場の仕事仲間だった浩司から電話が入る。

「もしもし、最近どうしてるの?今さ、皆で飲んでるだよ、良かったら出てこない?」

断る理由もないし、1人も退屈だし、私は着替えると、さっきコンビニで買ってきた弁当を冷蔵庫に入れ、浩司に指定された居酒屋まで車で向かった。

浩司は、地元でペンションを経営しながらスキーのインストラクターをしていて、同じ地元つながりの良明とも親しかったし、スキー選手として、若い頃、それなりの成績を収めた人だ。

とても社交的で、周囲からの人気者でもあった浩司は、地元民じゃない私にも、気さくに話しかけてくれ、とても安心できる人である。

浩司から指定された居酒屋は、個室になっていて、それぞれの部屋にカラオケも用意され、防音効果もあり、部屋でどれだけ大騒ぎしようとも、周囲に迷惑がかかることのない構造だった。

招かれた個室を尋ねると、薄暗いその部屋には、浩司と、あと数人、顔は知っているけど名前を知らないスキー場のスタッフだった男。
あと、2人ほど、たまに雑誌などでも見たことのあるスキー選手の男がいた。

女性陣が1人もいなかった事に、一瞬、たじろいだ私は、一番、隅の席に座ったが、その場にいたスキー選手の男は浩司の先輩だったこともあり、
「女の子は真ん中の方が先輩も喜ぶから」と、知らぬ男と男に挟まれた形で私は座りなおす。

その時、1人の男が、カラオケの歌を選び始め、1人の男が部屋の電気を消した。

その瞬間、私は、浩司に言われた一言で、頭の中が真っ白になった・・

「おまえ、AV女優だっただろ?」


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