RIDORU ~魔法使いの少女~
「リドル、お前魔法使いなのか…!」
「血筋ってやつよ。
練習したら出来てたの」
さらっとそんな事を言ってみせるリドルに
俺はあんぐりした。
“魔法使い”。
もっとこう…、何て言うか
貴族や王族が振り回している野蛮な力を持った奴のことだと思っていた。
まあ、今こうやって覆された訳だが。
こんな小さい少女が自分より強いなんて。
魔法使いってのはなかなか面白い。
「わっ、わあ、あ」
俺が真剣に魔法使いについて考えている最中、
こいつは短い声を上げてキョロキョロと周りの様子に目を当てていた。
「ねえディナン、これは何?」
指差したのは市場で売られていた青系統の鱗をもつ魚。
「ん?ああ、こいつは極東のナミリーゼって大陸の魚だよ」
「へえ…へえー!!」
リドルは魚を持ち上げてみたり、触ってみたり
して興味津々だった。