君とさよならの時間 ~大好きの涙~

重なった本物の「好き」





「おかえり、愛美ちゃん」


「ただいま」





 病院に戻り、受付の看護師さんにそう言った私。





 目、腫れてるかな?


 久々に、あんなに泣いちゃった。



 独りだと、涙っていっぱい出るんだね。






 エレベーターで5階に行き、いつも通り507号室へ入っていった。








「……え、愛美…?」







 隣の508号室から出てきた愛しい彼の声を、私は拾えなかった。





< 131 / 253 >

この作品をシェア

pagetop