あくまで小悪魔【BL】
一人パニックに陥っている俺の心中を知る由もなく、一条はおもむろに語り出した。


「正直、信用はしてないね」


「はぁ!?」


清々しく、きっぱりと言い切ったその言葉に、それまでの葛藤は成りを潜め、俺は思わず素っ頓狂な声を発してしまう。


「だって、君達は誘惑に負けやすい年代だもん。実際、負けたからそういう事件が起きた訳だし」


「だからって…」


普通、生徒目の前にして言うか?そういう事。


結局こいつも頭でっかちで堅物で融通のきかない大人の一人だったってことかよっ。


「でも、それは君達のせいじゃないから」


青春ドラマの主人公チックな事を考えていた俺の耳に、その言葉はやさしく流れ込んできた。


「子どもは間違えて当たり前。だから、オレ達大人が頑張るんだよ」


言いながら、一条は手にしていたハンカチをズボンのポケットに仕舞い込んだ。


「嫌われても、ウザがられても、その生き方に干渉し続けて行くんだ」


姿勢を正し、改めて俺と視線を合わせつつ、一条は続ける。
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