僕は余りにも  君を愛しすぎた
「莉里、良い方法が一つだけある。時期はズレるが僕もこっちで活動するというのはどうだ?」

「先生もLAでですか?」

「そうだよ。観月に以前から来ないかと誘われていたが断っていた。僕も君に対して正直でいたい。理由は君だ。僕にとって君の存在は大きかった。今まで何も言わなかったが、今の君と同じ迷いがあった。君のいない場所でやっていくことに意味が無いと思っていた。つまり僕の中の君を切り捨ててまで観月をとる決心がつかなかった。それほど僕は君を愛した。余りにも愛しすぎた。」

「先生、お願いがあるの。今すぐ、今すぐ私をどうにかしてください。」

私は勢いでそんなことを口走っていた。

「僕は処女キラーじゃない。君が信じようと信じまいと自由だが、ウワサほど真実と正反対なものはないな。」

「私は信じたくなかったわ。それが本当だったら私は一生先生に抱いてもらえないことになるんですもん。苦しくて悲しくてどうしたらいいのかつらくて。」

先生は私の髪から耳元へ、唇から頬へ、首筋から鎖骨へ、なめらかにキスを落とした。

その全てに優しくて、私を数秒で溶かして熱くさせた。

「莉里、観月を待たせない方がいい。あいつは勘が鋭い。あいつの言葉で君を不愉快にさせたくないからな。この続きは食事から帰ってからだ。いい?」

「先生、帰ったらもっとお願い。」

「君の口からそんな願いを聞くとは夢にも思わなかった。」

「私は毎夜先生のことを想っていたわ。あれは寝入る前だったかしら?それとも夢の中だったかしら?きっと両方だわ。」

< 23 / 38 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop