僕等のヒカリ〜ひまわりの小さなキセキ〜



あの人に確認しようと思い、ランドセルから緊急用の携帯を持って非常階段に行った。



乱れていた呼吸を整えて、手を震えさせながら電話帳からその人の電話番号を押した。




『はい。』



「渡部さん……」



『どうした?何かあったのか?』



「あの、今から言うことに正直に答えてください。」



『分かった。』







どうしてだろう



歯車が狂いだすと、全ての物が崩壊していく



母親が死んだ時点で、ドン底だと思っていた



でも、そのときはまだ歯車のネジが取れただけだった






「俺の出演したドラマや映画は全て手を回していたんですか……?」



『………すまない、遥希……』




ナイフでえぐられた部分をもっとえぐられたような気分だった。



すまない……?




ふざけんな……







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