【新】俺様社長の溺愛
仕事を頑張って、午後6時、今日の業務を終えた。

帰り支度をして、歩と共にロビーに向かう。

…ほとんど鉢合わせした事などなかったのに、

今日に限って、秀人とバッタリ会ってしまった。


体が硬直してしまう。

秀人が横を通り過ぎようとすると、

パタリと前に進む事すらやめてしまった。


「どうしたの、愛海?」

突然足を止めた私に歩みが問いかけた。


「…い、いえ、何でもありません」

私は必死に笑顔を作ってまた歩き出す。


歩の隣まで行くと、歩も歩き始めた。

「北条社長ってクールでカッコいいよね」

「・・・」

突然の話題に、体がビクッと跳ねた。

「愛海も、そう思わない?」

「…思いますよ、クールでカッコいい・・・でも、

実は優しい人だったりして」

・・・秀人がどんな人かっていう事を、私は一番知ってる。


「優しかったら、超最高ね!

あの容姿で優しさまで兼ね備えてたら、どんな女もイチコロだわ」
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