【新】俺様社長の溺愛
席に着き、順番に運ばれてくる料理。

いつも美味しいのに、その味が分からない。

神村順子の言葉も、ほとんど耳に入ってこない。


・・・愛海は大丈夫だろうか?

その事ばかりが気になって、何もかもが上の空。


「・・・秀人さん、どうかなさいました?

食事もほとんどお召し上がりになっていませんけど?」


「…すみません、何でもありません」

そう言った瞬間、店の奥から理人が出てきて、オレの方をチラッと見た。

その目は、穏やかで、愛海は大丈夫だと言うことが分かった。


それに安堵の溜息をつく。


…気を取り直したオレは、神村順子に向かって、

本題へと入っていった。


「…神村さん、結婚の話しなんですが」

「結婚の話しですか?あ、いつがよろしいですか?

秀人さんは社長さんだし、色々と忙しいでしょうし・・・」


…神村順子は、もう、結婚に向かって歩いているようだ。

これはまずいな、早い事、自分の意志を伝えなくては。
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