【新】俺様社長の溺愛
「今、なんと?」

驚き振り返る。


「秀人さんの好きな人に会わせてくださいと言ったんです」

「・・・」


「私が、納得できる相手なら、秀人さんを諦めます。

でも、納得できない時は、何が何でも、私と結婚してもらいます」

そう言って立ち上がった神村順子は、オレの横を通り過ぎる。


「神村さん」

「会う日程が決まったら、また連絡ください」

「・・・」

そう言い放った神村順子は、店を出ていった。


オレはまた椅子に座って、

大きな溜息を一つついた。

…一筋縄ではいかない相手だと、覚悟はしていたものの、

予想以上に手ごわい相手のようだ。


…俺自身、愛海と会えないでいると言うのに。


「お連れの方は、お帰りになりましたか?」

…突然後ろの方から声が聞こえ、振り返る。


「…理人。愛海は?」

「ちょっと気分が悪くなっただけみたいです。

歩が、家まで送っていますから、ご心配なく」
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