【新】俺様社長の溺愛
そう言って、理人は微笑んだ。

…しかし、その微笑みは、ほんの束の間。

理人はすぐに真顔になってオレに言った。


「私の勘違いなら、そう言ってくださって結構ですが」

「…なんだ?もったいぶらないで、言ってくれ」

オレは理人を見上げた。


「北条社長と、愛海さんは、兄妹として育った。

しかし、私には、それ以上の関係に見えるんです。

恋人…嫌そんな軽い名前じゃない。お互い、かけがえのない存在。

どちらか一つ欠けてしまえば、もう一つもダメになる、違いますか?」


「…理人の言う通りだよ」

そう言ったオレは、苦笑した。


「最近の愛海さんは、笑顔すら見せなくなったと、

歩が言ってました・・・愛海さんには、北条社長が必要なんです。

もっとちゃんと、守ってあげてください。

私や、歩が支えてあげるのにも、限度があります・・・

私たちなんかより、北条社長さえいれば、愛海さんに笑顔が戻る。

愛海さんから完全に笑顔が消えてしまう前に・・・」


「…あぁ」

・・・そんな事は分かってる。

分かっているのが、自分の今置かれている立場が邪魔をする。

もうすぐで、そのしがらみからも、解放されるんだ。
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