ズボラ女子が恋をした場合。
思わず遥斗の裾を掴むと、遥斗は驚いた顔を見せる。
今しかない。
言うなら、今しかない。
頑張れ、頑張れ私。
「……さっきはありがとう」
「…さっき?」
「インタビューの時、あそこで言ったら、私が断りにくいって、考えてくれたんだよね?」
遥斗のことだから、きっとそうなんだろうなと思った。
「あーー……、まぁ、そうだな。でも別に、すずがありがとうって言うことないよ、俺がそうしたかっただけだから」
「そういうところっ」
「え?」
「すごく好き」
顔を上げて、遥斗の目をしっかり見つめた。
「…え…?」
「遥斗が、……好き」
伝われ……、伝われ……。
「幼馴染とかではなく、友達でもなく、私……、遥斗のこと、好きなの」
まるでここだけ時間が止まってるみたいだ。
心臓の音だけが、ドクン、ドクンと、響いてる気がした。