ズボラ女子が恋をした場合。



「今度、俺とデートしてください」
お願いします、そう言って、頭を下げる日向。


「……はい…」


こんな感じで、デートに誘われたのは初めてだ。



「すず!」
「遥斗…」

ラムネを持ちながらこちらに走ってくるは遥斗。



「悪いけど、こいつは俺と来てるんで」


そう言って私と日向の間に入ってきた遥斗。



「ごめん、じゃぁ」
日向はそう言って、

「鈴菜ちゃん、本当に浴衣、すっごく似合ってて可愛いよ、今日会えてよかった」
手を振って去って行った。




「すず!!」
「はっ、はい!!」


勢いよく振り返った遥斗にびっくりしていると、
「……待たせて悪かった」

遥斗はちょっと不機嫌そうだった。



「ううん、買ってきてくれてありがとう!これ、私のおごりね!」

そう言ってお金を取り出そうとすると、
「いいよこのくらい、俺のおごり。早く買ってきたもの、食おうぜ」
遥斗は私の手を取って、レジャーシートの上に腰かけた。




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