彼の腕の中で 甘えたくて

こんな場所で再会？

私は森田由衣。

３年ぶりに人間ドックへ行った。

昨夜９時から飲まず食わずで１４時間以上経っていた。

「やれやれ、やっと終わったわ。」

クリニックのロビーでソファに身を沈めた。

バリウム用の下剤をもらい飲んだ。

検査結果で何かひとつくらいは引っかかるかしら？

と半分期待のようなものを感じた。

頭痛持ちの私は以前脳ドックも経験した。

偏頭痛の原因は複雑で、専用の良い鎮痛剤や安定剤もあると聞いた。

受付カウンターで名前を呼ばれた。

今日は平日の午前中だったので他の患者が少なくドックの方も私だけのようだ。

クラークが言った。「昼食のご用意ができましたので２階へご案内致します。どうぞ。」

彼女について行った。

「こちらでお掛けになってお待ち下さい。お吸い物とお茶をお持ち致しますので。」

応接室のような部屋へ通された。

テーブルには丸いお重がおいてあった。

お寿司かしら？

思わず顔がほころんでしまった。

クラークは出て行った。