彼の腕の中で 甘えたくて

「じゃぁ、どうすればいい？」

「もう遅いわ。一度が二度、二度が三度となれば気づかれるものなのよ。」

「深刻になってしまった。」

「私は人妻じゃないのよ。そこまで深く心配することはないわ。」

「そうなのか？」

「今を楽しむならいいんでしょ？徹はそうなんでしょ？違うの？」

「わからない。君をもっと欲しいと、もっと愛したいと思うようになったら困るだろ？」

「恋する想いは自由なのよ。」

「恋人とは愛し合っているのに、横から僕がつまみ食いしているんだ。君を苦しめている僕に非があるって誰もが思うだろ？」

「京也とは週末しか会えないわ。平日に会ったことはないの。」

「一緒に住んでいるのかと思った。週末だけの恋人か、それって凄く狂うよな。僕だったらそう思うよ。」

「時々会うから長続きするのよ。毎日顔を合わしていたらそれほど恋しく思えなくなるわ。」

「そうだな、一理あると思うよ。じゃ、結婚する人達はどういう思いでそうなるんだろう。」

「私にはわからないわ。」