彼の腕の中で  甘えたくて
年上男性の魅力
出張から帰った。

同じ部の後輩河野徹と出張中の一夜を明かした。

彼は出張のたびに私を抱くつもりだ。

11月中旬、ボジョレーヌーボが解禁された。

私が発案した新作は12月1日に発売が決定された。

今日は発売前の発表会が開かれた。

たかがストッキングにファッションショー並のステージが用意された。

モデルは全員下着姿だった。

やはり女性にウケなければ意味がない。

ショーを企画した部門のトップと会った。
 
全くどこの部門でも常務クラスは皆同類だった。

現場を仕切っている責任者に会った。

「初めまして、森田です。」

「前原です。森田主任の新作を、あなたのイメージ通りに表現するのが僕の仕事です。ショーは必ず気に入ってもらえると自負しています。」彼と握手をした。

私はショーなどどうでもいいのにと内心思った。

メディアのカメラも半年前に発売したストッキング「シャンパーにゅ」の時よりも多く、この後のスケジュールも詰まっていた。

ファッション誌やその他の雑誌の取材ばかりだった。

インタビューには、河野くんにも同行してもらった。

商品はいくらでも撮ってもらって構わなかったが、私の顔を載せてもらっては困るので彼に監視させた。

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