もっと甘く   ささやいて
「ジム・アンダーソンです。」ジェフのエージェントだ。

「村田旬ニです。」

「ルー!」

「ジェフ!驚いたわ。収録はいいの?」

「ジムから話すよ。」

何本か日本で撮影するらしい。

今回はリサーチに来たと言った。

「ルー、僕のスケジュールはハードだけど、君のためならいつでもすっぽかせるよ。」

四人でディナーを楽しんだ。

「ヒロは遠くにいるんだね?」ジェフは小声で私に言った。

「別件で忙しいのよ。」

「彼女の激しさを思い出したくないからだよ。」

「ジェフったら、ディナーの席よ。」

ウィンクしたジェフのえくぼが、私にあの夜のことを思い出させた。

彼に満たされ続けた自分に腹が立った。

「ルー、君の鬼編集長は男前だ。想像していた人物と全く違うよ。シュンは、つまり、ナイスガイだ。僕よりも。」

「ジェフ、何が言いたいの?」

「彼の前では君をくどけないよ。」

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