しっとりと   愛されて
「おはよう。」

「おはようございます。」二人でエレベーターに乗った。

「返事を聞きたい。」

「あの、私、困ります。」

「それが返事?」私は眉を寄せて下を向いた。

「上の階のラウンジで話そう。まだ早いから誰もいないだろう。」8階で降りた。

「さ、そこに掛けて。俺とは付き合えないってことかな?」

「私、堺さんのこと、よく知りません。私はどうしたら失礼にならないようにお断りできるかと思って、そればかり考えていました。」

「じゃあ、しばらく付き合って、俺のことを知ってから返事してもらえればいいよ。」

「えっ?」

「それなら好きか嫌いか、はっきりわかるだろ?」

「で、でも、それじゃ。」

「俺も君のことをもっとよく知ってから、結論を出すよ。」

「そんなの無理です。」

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