しっとりと   愛されて
俺は眠ってしまった彼女を家に運んだ。

「やっとお目覚めかな?お湯を入れたから、風呂へ入ろう、おいで。」

「え?」俺は彼女を抱きかかえて、バスルームへ運んだ。湯気でモウモウだった。

チャプッ。「あったかい、体がほぐれる感じ。」

二人で湯船につかった。

「百合乃?」

「はい?」

「俺のこと、少しはわかった?」

「はい。」

「何がわかった?」

「激しいってことがわかりました。」

「それは君が俺にそうさせるから。」

「孝二さんは私の何がわかったのですか?」

「わかったのは君のことではなく、自分の気持ちだった。」

「孝二さんの気持ち、ですか?」

「そう、俺はもっと君といたい、という気持ちがわかった。」

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