しっとりと   愛されて
「そうですか。」

「迷惑に思った?」

「いいえ、満たされました。」

「それはよかった。」

「私のどこが好きですか?」

「どこって言われても、いろいろだ。君の持っているものに惹かれたから、そう思った。」

「具体的に何ですか?私のどこら辺ですか?」

「素直で、ひねくれてなく、従順で、気取らず、意識しないで人を気遣う、それから物腰がソフトで、何でもない仕草が俺をドキドキさせて、君の全てを奪いたいと思わせるその雰囲気だ。他の女には無いものだ。」

「でもまだ私の全部がわかったわけではないでしょう?」

「そりゃそうだ。これから知っていきたい、もっと詳しく。」

「嫌です。ここまでにしてください。」

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