しっとりと   愛されて
百合乃のワンルームへ行った。

ベッドはロフトだった。

手前のキッチンを通ってカーテンをくぐった。

俺は彼女の部屋を見てぎょっとした。

「すごいな。これ全部君が作ったのか?」

「そうよ、変に思ったでしょ?」

「いや、こういうのって女が作るものだったかどうか知らないが、売れるんじゃないのか?かなり高額で?」

「やっぱり頭がおかしい女だと思った?」

「いや、正直驚いたが、変とは思わない。で、今製作中のものはどれ?」

「これよ、下半身以外は完璧なの。」

「下半身?」

「一部納得がいかなくて、この何日か夜遅くまでかかって設計を練っていたの。」

「だから寝不足だったんだな?」

「そうよ。」

「それで、どこが上手くいかないんだ?」

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