呪いのブレスレット
やっと麻美の了承を経て、枕を置いてベッドに転がるようにして横になる。

そんなあたしを麻美はじっと見ている。

「いつもは一緒に寝たいなんて言わないのに、どうしたの?」

「……ちょっと怖い夢を見たから」

「ふ~ん……」

答えに納得したのか、麻美はヘッドホンを耳につけると、雑誌に目を落とした。

麻美に背を向けると、目を閉じた。



―――
―――――


ブウォン! ブルルン! パパラパー!

ものすごい騒音にあたしは耳を塞ぐ。

あたしは草むらに立ち、見えるのは暴走族らしき団体。

河川敷の舗装されたサイクリング道路をバイクに乗った少年たちが互いが行き交い、派手に音を出している。

タバコの臭いが漂ってきて、むせそうだ。

アクセル全開でヘルメットをしていない少年たち。

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