文句言いの恋
「杉坂、いいから行くぞ。」

と遠藤さんは若干呆れ気味のよう。

近づいてみるとやはり女の人ばかり。
そしてやっぱり中はよく見えない。

「おい!」

と痺れを切らした進藤さんが言うと、
女の人達が振り向く。

「きゃー!
進藤さん!遠藤さん!」

と言いつつ壁が割れる。
その間から現れたのはまさしく

「健斗!」

一応席取りをしてくれていたらしかった。
しかし彼の隣や向かいに座りたい女性達が集まってしまい、
また彼が周りに座ることを許可しなかったため、立ちっぱなしになった女性達が壁になっていたみたいだ。

「おー、葉菜。おせーよお前!」

と本人は文句を言っているが、

「いや、見つけられなかったのあんたのせいだから!」

と私は言ってやった。

「まあとりあえず席はゲットできたみたいだし、いいんじゃない?」

と茉優美さん。

確かに、健斗が取っていたのはピッタリ5人座れるテーブルだった。
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