悠久幻夢嵐(2)-朱鷺の章-Stay in the Rain~流れゆく日々~




「もう一人の転校生を紹介する。
 朱鷺宮涼夜くんだ」

「朱鷺宮?」

「あの……司宮(つかさのみや)の弟?」



興味本位な声が容赦なく降り注ぐ。

テレビにも何度も顔を出している兄。

そして兄だけは会えなくなっても時折、
俺の話題に触れた。


だからか……顔も何もしらない朱鷺宮と言う存在が、
司宮と言う存在の弟であることのみは、世間にも知られている。


「司宮竜也(つかさのみや たつや)は俺の兄です」



顔色一つ変えず、お決まりの言葉を俺はクラスの奴らに返した。



そんな幕開けから始まった新生活。




近くで覗き見る徳力神威は、
俺にとって何処までも気に入らない奴だった。
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