悠久幻夢嵐(2)-朱鷺の章-Stay in the Rain~流れゆく日々~


目に映る光景が受け入れられる、
何度も目を閉じて、擦っては
同じ映像を捕える。





それと共に流れ込んでくる、
薄黒い不気味な感覚が肌に絡みつくように
生暖かい風と混ざってまとわりつく。





突然の感覚に、
成す術もなく、
ただその場で、左手の刻印を辿り
祈り続けるしかなかった。






何でもいい……。


この不快な苦しみから
解放してくれ。


俺自身を解き放て。







落雷が屋上に設置された避雷針へと
稲光と共に降りて、
懐かしい金色の雨が緩やかに
降り注ぐ。







その金色の雨は……
祈った如く、
俺にまとわりつく
不快を一気に清浄へと
導いて行った。








金色の雨の後、
瞬く間に、晴れ間が広がり
強い日差しが差し込める。








階下のスピーカーから、
午後の授業を告げる、
チャイムが木霊している音が聞こえた。 







 

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