悠久幻夢嵐(2)-朱鷺の章-Stay in the Rain~流れゆく日々~


「ないと言ったら嘘になる。

 徳力に捨てられたと
 荒れた時期もあった。

 だが今は、
 兄貴の想いを知った。


 あのまま俺が徳力に居続けては
 お前との今の関係には
 なり得なかった。

 兄貴は知ってたんだろうな。

 こうなりゆく未来を」


「明日から学校、
 行っていいんだろ」


「あぁ。
 無理だけはするな。
 二階堂にも伝えておく。

 仕事に戻る。
 
 人の手が欲しい時は、
 下の義母を呼べ」




そう言うと飛翔は、
父さんの手紙を封筒に片付けて
再びポケットに差し込むと、
お盆を持って出て行った。









翌朝、
いつものように起き上がると

再び、
香宮へと通学する。




もし何かが始まると言うなら、
俺はこの場所から
逃げることなんて出来ない。




朱鷺宮……。



お前が何かを企んでいるなら、
探ってやるよ。



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